「木曽海道六拾九次」は、木曽街道の69の宿場に起点の日本橋を加えた全70枚の揃物です。天保6年(1835)頃、溪斎英泉(1791-1848)によって始められましたが、のちに歌川広重(1797-58)も参加し、最終的に英泉が24図、広重は46図を描きました。各宿場の風景とともに街道を旅する人や旅風俗が生き生きと描かれた同作品は、広重の代表作の1つとしても知られています。
全作品を所蔵する美術館・博物館・コレクターは決して多くない中で、中山道広重美術館所蔵の「木曽海道六拾九次」は世界でも随一の質の高いものです。全作品が展示されるこの機会にふるってご鑑賞下さい。