節句は年間の節目にあたる特別な日です。3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕など、人々はその日にふさわしく部屋をしつらえ、特別な料理や季節の草花を供えて神仏をまつり、家族の健康や幸福を祈ってきました。これに伴い絵画でも、それぞれの節句に因んだ縁起の良い、めでたい意味をもつ多彩な作品が数多く描かれています。人々はそれらを床の間にかけ、節句を寿ぎ、季節の移ろいや自然の巡りを深く感じて送る暮らしを、古より大切に守り伝えてきました。
本展では、さまざまな節句を祝う「祝画」と、そこに込められた人々の幸せへの願いを紹介します。