五山の上、京都東山の南禅寺より、寺宝約120件を展観。
数々の優品で由緒ある寺の歴史をたどります。
京都の東山にある大本山南禅寺は、亀山法皇(1249~1305)が、正応4年(1291)に自らの離宮を禅寺に改めたことを始まりとしています。南禅寺では、亀山法皇の「利生の悲願」(生きとし生けるもののために優しさと思いやりをもって生きてゆく)の実現を目指しており、来年は亀山法皇の700年御忌にあたります。
この機会に、南禅寺本坊や塔頭の寺宝を中心に構成する特別展を開催いたします。普段は公開されない文化財も多数含まれており、全山で取り組む大規模な展覧会はこれが初めてとなります。
南禅寺は、京都・鎌倉五山の上とされ禅宗寺院最高の寺格を有しました。そのため、貴重な宝物が数多く所蔵されていますが、中でも亀山法皇の姿を表した彫刻や絵画、あるいは自筆の起願文が注目されます。さらに、水墨画にも優れたものが多く、また皇族の御所を移築されたとされる大方丈の障壁画などは狩野派の作として有名なものです。これらの作品によって、南禅寺の長い歴史の中で受け継がれてきた禅林文化の奥深さに触れていただきたいと思います。