白百合は身悶え、ピアノは咆哮する
ROY-CWRATONEは古くからタイに伝わる精霊流し。南輝子のROY-CWRATONEは悲劇を語り伝え、蘇り、言葉、音を越え、眠らんとするわれを覚醒し、なお眠らせない。パンデミックの今、長く長く抱きしめあってきた二つの魂と再会する。南輝子展会場にて開催される板橋文夫の全身入魂が心を鷲掴みするピアノコンサート。障害で音程を失った我耳は板橋の全身全霊の打鍵をどう受け止めるのか。耳ではなく魂同士の激突として。まさにそれはどのような結晶体として現出するのか。深い深い永遠の中、生まれる奇跡に巡り合えることを確信している。 島田誠