山喜多二郎太(明治30~昭和40)は福岡県の出身。東京美術学校西洋画科・藤島武二教室で学ぶかたわら、寺崎廣業にも師事し日本画も学びました。
美校卒業の翌年、第2回帝展に初入選を果たし、第15回帝展で特選を受賞しました。以後、帝展、日展、光風会展を主な発表の場として活躍、同時に筑前美術会、福岡県美術協会の活動にも尽力し、郷土の美術界に大きく貢献しました。
油彩画とともに水墨画の研究にも取り組み、中国各地を遊学して研究、この分野でも並々ならぬ力量を発揮しました。
武蔵野市には昭和25年に転居して以来、昭和40年に68歳で他界されるまで居住し、創作活動を続けました。
当館では、昨年、ご遺族やコレクターの方より多くの作品の寄贈をいただいたことを記念し、それらの中から、墨彩画24点、油彩画7点を展示いたしました。具象と抽象、油彩と墨彩、それぞれの世界の間を自由に往来し、独自の画風を築いた山喜多二郎太の作品の数々を鑑賞いただければ幸いです。