◆版画によせる思い(作者のことば)
私は木版画を制作するにあたり、鹿沼の風景や鹿沼市内で発掘された土器などを題材にしてきました。特に制作意欲を掻き立てられたのは、縄文土器に描かれた文様です。
27年前から縄文遺跡の発掘、拓本および修復作業に携わる中で、縄文時代から使用された素焼の土器破片の文様に興味を抱き、文献などを調べると年代ごとに独自の文様を持っていることがわかりました。
縄文人の豊かな美的な独創性に感動し、様々な土器模様の組み合わせをモチーフにした作品を作り始めました。これからも古い時代に思いを馳せながら、制作していきたいと思っています。
私は、見る人の心を和まし、温もりを感じられるように心がけており、皆さまに私の思いが少しでも伝われば幸いです。
今回、鹿沼市立川上澄生美術館で「鹿沼ゆかりの版画家 村田惠子」展を企画していただき深く感謝いたします。