戦後の日本は経済発展や技術革新などにより社会がめまぐるしく変容し、また美術界においても多様な展開がみられました。日本画家たちも、国際的視野を意識しながら、伝統に根ざした新たな創造を目指して模索を続けていました。そうした中、前身である東京美術学校と東京音楽学校が合併し、昭和24年に東京芸術大学が発足しました。そして、そこに集った教授、学生らは西洋の影響を受けながら多種多様な試みに挑み、戦後の日本画壇を支えた院展、日展、創画展という三大公募展の発展に大きく貢献しました。今回の展覧会では、伝統的絵画から大きく変化し、戦後の日本画の基礎を築いた東京芸術大学の教授と学生らの作品二十余点を展覧いたします。つねに、新しい日本画の表現を切り開きながら、自らの生き方をも追い求めつづけた日本画家たちの作品をごゆっくりご鑑賞ください。