瑞石山永源寺は、臨済宗永源寺派の大本山です。大陸に渡って禅の教えを学んだ寂室元光(じゃくしつげんこう 1290~1367)は、近江源氏の六角氏頼の帰依をうけ、康安元年(1361)、氏頼から献じられた風光明媚な雷渓の地(滋賀県永源寺町)に永源寺を開きました。
応仁の乱の頃には、戦乱を避けて多くの文化人が永源寺を訪れ、江戸時代のはじめには、後水尾天皇の帰依をうけた一絲文守が永源寺に入り、中興となっています。永源寺には開山寂室元光の墨蹟をはじめ、17世紀後半の後水尾天皇をめぐる文化サロンの状況をうかがわせる多くの作品を伝えています。
およそ650年にわたる永源寺の歴史を物語る「永源寺文書」が平成14年に国の重要文化財に指定されたことをうけ、本展では永源寺の寺宝や末寺に伝わる文化財を中心に、永源寺の歴史と美術を紹介いたします。