芹沢銈介は収集家としても著名で、当館には4500点に及ぶ世界の工芸品が収蔵されています。本展では、その中から椅子40点、箱60点をご紹介します。家具の中でも芹沢が好んだのが椅子です。ヨーロッパやアフリカの椅子を中心に、多数の椅子を集め、常に取り替えながら身辺に置いていました。また、螺鈿・竹・革などを使った韓国の箱、タイの蛙型の箱、ヨーロッパの曲げ物の箱、メキシコの木箱、インドの金庫など、世界各国のさまざまな箱も集めました。45歳のころ「わたしは金があったら、箱をあつめてみたいとおもいますよ。」と述べていますが、実際にその後の収集でも、箱類は大きな1グループを形成することになります。芹沢の目を通して集められた品々を、どうぞお楽しみください。
展示室の前半には、「寿の字のれん」「布文字春夏秋冬二曲屛風」「李朝の函文帯地」など、芹沢銈介を代表する作品70点を展示いたします。