マリー・ローランサンは、1883年パリに生まれました。20世紀のはじめ、彼女は画家を志し画塾アカデミー・アンベールに通いはじめます。そこで同級生だったジョルジュ・ブラックに紹介されたモンマルトルのアトリエ兼アパートの「洗濯船」で、ピカソやアポリネールらと出会い、彼らの立体派(キュビスム)や野獣派(フォーヴィスム)などといった、美術の流れそのものを変えてしまう芸術運動の先礼を直接に受けました。しかし彼女は、これらの芸術運動から影響を受けながらも、女性ならではの繊細な感覚を生かした作品を制作します。
本展は、世界最大のマリー・ローランサンコレクションを誇り、当館と同じく開館20周年を迎えた蓼科のマリー・ローランサン美術館にご協力をいただき、所蔵の油彩画40点、デッサン10点などにより、彼女の半世紀にわたる画業を紹介するものです。