髙山辰雄、平松礼二、松村公嗣。独自の日本画を作り上げた三人は、『文藝春秋』表紙絵を描き、それぞれにバトンをわたしてきました。髙山辰雄は、生きることの神秘を感じさせる精神性の高い絵画を追及し、日展を舞台に活躍し、文化勲章を受章。『文藝春秋』では1987年から13年間、身近な風景や人物を題材としながら無限なる世界を表現し珠玉の時を刻んできました。
平松礼二は、革新的な日本画を目指し、「路」シリーズや、日本絵画の本質的な装飾性に着目した「ジャポニスム」シリーズを展開しています。『文藝春秋』では2000年から11年間、日本各地や日本と縁の深い外国を旅して、新しい日本画の創造をしてきました。
そして2011年から現在まで表紙絵を描く松村公嗣は、院展を主な舞台として活躍しています。国内外の風景や自然、人との出逢いから得た感動を多彩なテーマで展開し、時に叙情的に、時に力強く、いのちの輝きを表現してきました。
本展では、『文藝春秋』の表紙絵という一年の流れの中で描いてきた作品をご紹介すると同時に、髙山辰雄、平松礼二、松村公嗣が、日本画家として表現してきた大作も同時に展覧します。