現代美術のみならず演劇界でも忘れられないアートシーンを作り出してきた美術家やなぎみわ(1967-)。《エレベーター・ガール》で注目を浴びたやなぎは、《マイ・グランドマザーズ》や《フェアリー・テール》といった写真作品シリーズで世界的に評価を受けました。2010年からは演劇プロジェクトを手がける一方、2016年からは日本神話をモチーフに、福島市内の果樹園の桃を撮影してきました。桃の文化史的な意味を背景に、人間の歴史や運命を問いかける新シリーズを今回日本で初めて発表します。また本展に向け、京都、高松、前橋の大学、高専、そして福島県立福島工業高校と連携した「モバイル・シアター・プロジェクト」が立ち上がり、マシンによる神話世界が会場に生み出されます。待望された約10年ぶりの本個展では、これまで以上にやなぎの汲み尽くせぬ創造の泉に迫ります。