博物館では、池長孟の蒐集方針「外国の影響を受けた日本の美術」を受け継ぎながら、美術コレクションの充実をはかっています。池長が目指したテーマに関する資料は勿論ですが、こうしたテーマを補完、発展させるために、要所や外国製銅版画、輸入工芸品、輸出用に製作された漆器や陶磁器なども積極的に集めてきました。
本展では、大槻玄沢(おおつきげんたく)や桂川甫周(かつらがわほしゅう)など江戸時代を代表する蘭学者の周辺で生み出された洋風画、遠近法や陰影法、異国趣味のモチーフなど、洋風画の要素を効果的に取り入れていった浮世絵、さらには限られた貿易の枠のなかで、お互いの要望に最大限応えて工夫をこらし、東西を行き来したさまざまな工芸品を展示します。