小山市制65周年、開館10周年記念企画展の第2弾として、小山市出身の彫刻家・館野弘青(たてのこうせい、1916~2005年)の個展を開催します。館野は昭和15年太平洋美術学校卒業、18年第三部彫塑研究所修業。その後28歳で佐藤朝山に木彫を学び、36歳で北村西望に師事するなど、たゆまずに研鑽を積みました。22年日展に初入選、39年日展特選受賞、以後も入選を重ね彫刻家として地盤を固め、のちに日展では審査員、評議員、参与を歴任、他に日本彫刻会運営委員をつとめるなど彫刻界を牽引しました。作品は人物像が中心で、堅実で調和のとれたフォルムに生命力のみなぎる作風が特徴です。野外彫刻の制作依頼も多く、《貫一お宮之像》(静岡県熱海市熱海海岸お宮の松前)は代表作であり館野芸術の集大成といえるでしょう。
本展覧会では、県内では初公開となるブロンズ像、石膏像、木彫など約30点を紹介します。写実的な身体表現を追求した作品や、人物の内面性がにじみでる作品から、人体の美と生命の表現に取組み続けた館野の造形世界をご体験ください。