大正8(1919)年に大倉孫兵衛、和親父子によって創設された大倉陶園は、日本を代表する洋食器メーカーとして世界に誇る作品を生み出してきました。「良きが上にも良きものを」の理念のもと生産される磁器は、フランスのセーヴルやドイツのマイセンなど西洋の名窯にも比肩する高い品質を有していると評価されています。品格を備えた洋食器は、皇室をはじめ、数多くの文化人や財界人に愛されたほか、老舗ホテルやレストランでも供され、日本の洋風文化の一翼を担ってきました。
本展では、草創期から現在までの作品を通じ、その優れたデザインや品質を紹介するとともに、日本の洋食器文化における同園の役割を探ります。また、最新の調査結果を反映し、これまで知られることのなかった創業当時など戦前の様子を伝える貴重な資料も併せてご覧いただきます。