長野県千曲市出身で茨城県龍ケ崎市在住の日本画家・倉島重友(1944-)は、昭和46年(1971)再興第56回院展で初入選したのち、平山郁夫に師事して研さんを積みます。平成13年(2001)次代を担う画家に授与される第7回天心記念茨城賞を受賞、平成16年には日本美術院同人となり、現在も院展の中心画家として第一線で活躍しています。
倉島は、家族など身近な人物、郷里長野や龍ケ崎周辺の自然をテーマとし、のち取材に訪れたインドや中国、ヨーロッパの自然とそこに暮らす人々に対しても慈しみと敬愛の眼差しを注ぎました。これらを柔らかな色彩と繊細な筆遣いによって清新かつ情緒豊か描き、生命美や自然美を高らかに謳い上げる独自の芸術を築いています。
本展は、東京藝術大学卒業50年を機に開催するもので、院展出品の代表作を中心に、初期から近作までの73点により、その画業の歩みと芸術の魅力を紹介します。