室生寺は、奈良県宇陀郡の山里にあるお寺ですが、土門拳は昭和14年にはじめて訪れて以降、およそ40年間数え切れないほど通い、最も愛したお寺といわれています。春の桜、初夏の石南化、蝉時雨の降るような青葉のころ、秋の紅葉。四季折々の室生の自然を、そして愛した仏像の数々を、土門拳は、生涯かけて撮り続けました。展示するモノクロの大型パネルは、最大縦180cm×横380cmの大きなものもあり、室生の自然、金堂や五重塔などのお寺、釈迦如来坐像や十二神将の仏像など、土門拳を魅了してやまなかった「室生寺」が写真から迫ってきます。