「サイン」とは、人を目的地に導く目印のこと。普段意識することは少なくても、駅や空港、商業施設、美術館などのあらゆる場所に、標識や案内板、矢印やピクトグラムといったさまざまなサインが存在しています。一方で、「人生の道標(みちしるべ)」という表現があるように、場所やそこに至る道程は人間の生き方とも分かちがたく結びついています。
本展では「サイン=道標」に注目し、グラフィックデザイナーによるサインデザインと、場所との関係性を追究した現代美術作品をあわせてご紹介します。7名による出品作品と関連資料を通して、人間がどのように場所や空間を理解し、伝えようとしてきたのか、そしてその中でめぐらされる「わたしはどこにいる?」という問いに、「アート」と「デザイン」の双方から迫ります。
会期中には、美術館の外から館内各所に”出張”してきたサインを、マップを手に探して楽しむことができます。また、本展の会場構成・サイン計画は、富山県美術館のサイン計画を手がけた色部義昭氏が担当します。館内全体でサインと出会い、体感する機会となることでしょう。