北アルプスの湧水が涌き、風が吹き抜け、光のふりそそぐ夏の安曇野で、“自然のおおらかな気配”をテーマにした展覧会を開催します。
私たちの生きる現代社会は、忙しく、時に殺伐として、様々な問題に直面しています。
そんな中で、同じ時代に生きながら、あわただしい人間世界の外に広がる“自然”に耳を澄ませ、そのおだやかな“気配”を“美術”という方法で私達に届けてくれる、そんな6人の作家たちの作品を集めました。
美術館の庭の広い芝地には、ステンレス彫刻で活躍する中嶋大道さんの巨大な昆虫がお目見えします。また、館内では、南の海に降る雨を描いた雄大な水墨画や、風邪にさらされ削ぎ落とされた骨のような木の造形、古い壁土で作った植物の種の形、みずみずしい生まれたての花のような油彩画や、少女の姿をうつしたやさしい“植物”のような彫刻作品など、おおらかな“自然の気配”の立ち上る、様々なタイプの作品を展示します。
また、2階廊下には、一般のみなさんから募集した、美術館の庭のバラの花の写真もあわせて展示します。四季咲きのバラ約500種700本の広がる、外の本物のバラ園とあわせ、安曇野の夏の一日、館内外で豊かな“自然の気配”をお楽しみ下さい。