笑う門には福来る――。いつもにこにこと笑って暮らす人の家には、自然と幸運がめぐって来ると言われます。
日本の絵画でも、しばしば「笑い」は人々に幸福や富、長寿をもたらす象徴として描かれますが、なかでも目立つのが、江戸時代の恵比寿や大黒、布袋などの福の神を描いたもの。縁起物として描かれた彼らは、決まって太った体に短い手足のユーモラスな体型を持ち、大きな顔におおらかで、優しい笑みを浮かべています。
そのほか、江戸時代の絵画の中には、南画に描かれた文人たちのおだやかな笑み、美人画の魅力的な女性の微笑、神通力をあやつる仙人たちの意味深長な笑みなど、実に多彩な笑いを見ることが出来ます。
今回の展示では、日本の江戸時代の絵画と、それに大きく影響を及ぼした中国の絵画から、「笑い」にちなんだ作品を特集します。新しい年の始まりにあたり、「笑う絵画」が皆様に笑顔と福をお届けできれば幸いです。