懐紙は、その名の通り本来は懐(ふところ)に入れて手口を拭ったり、メモを書いたりするための携帯用の紙でしたが、10世紀頃からはさらに自詠の和歌を記すために用いられてきました。その大きさは身分や時代によって多少異なりますが、おおよそ縦30~35センチ、横40~50センチです。懐紙を縦に八等分したものが短冊で、14世紀頃から登場します。
天皇や公家、武家をはじめ、松尾芭蕉や池大雅、さらに夏目漱石や正岡子規など近代文学を代表する文化人まで、懐紙や短冊に染筆された書を通じて、歴史を彩った人々の人物像を探求します。