横須賀美術館では、平成30年度第4期所蔵品展特集展示において、三木弘(みきひろむ)をご紹介します。
三木弘(1900~82)は、和歌山県に生まれ、朝鮮半島で育ち、その後、独学で絵画を始めました。1920~27年にかけては、東京やパリで絵画を学び、再び朝鮮半島に戻って、現在のソウルを拠点に創作活動を展開するという異色の経歴の持ち主です。
活動初期には、朝鮮美術展や二科展で実績を積み、第二次世界大戦後は、朝鮮半島を引き揚げて京都に住んで、自由美術協会を拠点に活動しました。また、協会誌『自由美術』などで、活発な言論活動も繰り広げました。
三木弘自身が横須賀に住んだことはありませんが、その作品所蔵者が横須賀在住であることから、このたびの所蔵品展で、その作品を紹介する運びとなったものです。今回は、三木にとって最晩年となる1960年代後半以降の作品約20点を中心に、その知られざる絵画世界に光を当てます。