2001年アーティスト・イニシアティブで立ち上げられたpress実行委員会は世界的にもユニークで広く知れ渡っている浮世絵版画が生まれた日本の版画文化の土壌に着目し、 その研究と作品発表、記録集の刊行を兼ねて、2001年「版画再考」、2004年「版画を読む」、2010年「版画の色-リトグラフ」、2014年「版画系」、2017年「版画のコアcore1」と 版画にまつわる企画展を東京神田、文房堂ギャラリーにて長期にわたって開催してきた。
4つの基本技術形式(銅版、木版、リトグラフ、シルクスクリーン)を第3回展より10年をかけて四つの展覧会を等しく扱い、今回の2019年の5回目の展覧会「版画のコアcore 2」で一巡したかたちとなり、版画をめぐるプロジェクトはひとつの円環を完成出来ると考えている。今回の展覧会では版形式の中で、最も古く中心をなす銅版と木版にスポットを当てて、歴史的な考察から版画の批評性や世俗性の研究を試みる予定である。