現代の文化としてのヴィデオ・ゲームは、文化庁メディア芸術祭においても顕彰の対象となり、現代の社会にも大きな影響力を持つものとなっています。それは、現代の社会のあり方を反映したものであり、また、これからの社会のありようを見出すことができるものと言ってもいいでしょう。
本展覧会では、現代のヴィデオ・ゲームのあり方や、それらが創り出す文化を検証することで、そこからどのようなことが読みとれるのかを、インディ・ゲーム(*1)、及び、ヴィデオ・ゲーム・アート(*2)の2つの動向から捉えることを試みます。
展覧会タイトル内の言葉「ゲームスケープ(Gamescape)」は、ゲームから見た風景・社会という意味の造語で、ヴィデオ・ゲームがそれぞれのプレイヤー、制作者にもたらす新たな世界観を表現しています。
*1 個人もしくは小規模チームで制作されるヴィデオ·ゲームのこと。制作規模の「小ささ」ゆえ、主流となったヴィデオ·ゲームの概念を覆すような新しい表現の場ともなりつつあり、アニメーション映画、コンテンポラリー·アート、電子音楽など、ヴィデオ·ゲーム以外のさまざまなコンテクストを出自とする開発者の参入も活発化しています。
*2 ヴィデオ·ゲームに馴染み親しんできたアーティストが手がける、ヴィデオ·ゲームのインターフェイスや、ゲーム空間とその構造に着目することで、私たちが日常的にプレイするゲームのもうひとつの意味を考察するなどのアプローチによって制作されたアートの総称。