五島美術館(東京都)と大和文華館(奈良県)は、ともに1960年に開館した私立美術館である。今回の展覧会では、両館の数千点に及ぶ収蔵品から、「茶の湯」に関する美術品をそれぞれ50点、計100点を厳選し展示する。両館を代表する日本と東洋の古美術の絵画・書・などの掛物、花入・茶碗・懐石道具などの工芸品で構成した「茶の湯の美」の世界を紹介する。また、両館の蒐集活動が、美術史等の専門学者の助言をもとに書画や仏教美術から出発しながらも、結果として茶道具も所蔵するようになったという経緯、特色を示し、あわせて日本の美術に茶道具が果たした役割も考えようとするものである。