中国には、文人と称される知識階層がありました。彼ら文人は、儒教的教養をもち、詩文を作り、そして、何よりも藝術に深い関心を寄せていました。
本展では、上海博物館所蔵品の中から、文人たちが日々を送った園林やそこでの雅集、琴や茶を楽しむ優雅な趣味的生活を描いた作品、脱俗の理想的生活を伝える様々な山水図、その精神の有様を示す墨梅や墨竹、文人の肖像、文人同士の交遊を示す書蹟などの明・清の書画40点、そして、彼らの藝術的日常生活を彩った文房四宝と称される筆墨紙硯をはじめとする各種の文具、古琴や茶具などの工芸品51点を陳列いたします。これらの作品を通して、中国文化の担い手であった文人に対する理解が深まり、さらに、中国文化の本質に近づくことができるのではないかと考えます。