前田常作は、1926年富山県に生まれ、富山師範学校本科をへて、武蔵野美術学校を卒業。その後、自由美術家協会会員として自由美術展への出品を中心に、個展、アンデパンダン展などの活動を展開していきました。1957年、第1回アジア青年美術家展で大賞を受賞し、パリに留学。パリ滞在中、美術批評家K.A.ジェレンスキーの批評によりマンダラに関心をもつようになり、帰国後、東寺の両界曼荼羅に触発され、マンダラを描き始めます。
前田は、それ以来「人間風景」「人間誕生」「人間星座」「人間空間」「空間の秘儀」「人間波動粒子」などのシリーズを発表。さらには、「須弥山マンダラ」「観想マンダラ」とマンダラシリーズを展開しました。それにより、1979年には、第11回日本芸術大賞を受賞。
この展覧会では、マンダラシリーズの代表作8点ほか、1979年から89年にかけて製作された西国巡礼シリーズを含め、西国、坂東、秩父の札所を題材にした百観音の全作品を一堂に紹介します。