中里伸也は写真を素材にして作品を作っています。
原点であるウジェーヌ・アジェの写真を再構成する作品から始まり、セザンヌ、モランディ、デ・クーニングといった作家の作品を彼自身の視点で再構成し、写真作品として発表して参りました。
前回までは、あくまでも写真をベースにして、写真から作品を誘導してくるという方法をとっていました。
今回は絵の下にある写真から離れて絵画そのものに向かっていきます。もはや写真はその機能を捨て支持体のみとなっていると言えます。しかしあくまでも写真本体を捨てるのではなく、写真と対峙することによって、形をすて純度の高い作品へと引き上げられるようです。
写真というカテゴリーでは極めて珍しい試みと言えますので、なかなか理解をするのは難しいとは思いますが、真摯に向き合う写真と絵画の融合をご理解いただき、ご掲載ご高覧いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。