華やかな色彩と、自身の人生の物語や故郷の風景を主題とした作品で知られ、いまなお世界的に愛好されている芸術家マルク・シャガール(1887-1985)。
シャガールがはじめて手がけた色彩リトグラフによる版画集《『アラビアン・ナイト』からの四つの物語》(1946年〈1948年刊行〉)は、「千夜一夜物語」の名前でも知られる中世イスラム世界で編まれた長編説話集の中から、シャガールが四つの物語を選び、印象的な場面を絵画化したものです。本展では、完成までに重ねられる段階のすべての試し刷りが添えられ、普及版には付されていない13番目の作品がそろった特装版を公開。シャガールの色彩リトグラフの最高傑作として名高い絢爛たる色彩を誇る《ダフニスとクロエ》(1957-60年〈1961年刊行〉)全42点とあわせて、新収蔵初公開いたします。
また、ユトリロ(1883-1955)や藤田嗣治(1886-1968)らエコール・ド・パリの画家たちの作品のほか、ヴラマンク(1876-1958)やピカソ(1881-1973)などパリで活躍した画家たちの作品もご紹介いたします。藤田嗣治の壁画《大地》(1934年)や、ジョアン・ミロ(1893-1983)のタペストリー作品《マングース》なども出品。見どころ満載の展覧会です。