キュビスムの創始者ブラックによる造形美の世界「メタモルフォーシス」シリーズを紹介
ジョルジュ・ブラック(1882-1963)は、パブロ・ピカソらとともに20世紀初頭に興った芸術運動「キュビスム」の成立と展開に関わりました。彼はキュビスムという動向において、複数の視点によって切り取られた断片を以て対象物の立体的な全容を平面上に表現するために、分割と再構成という手法を採りました。その後も独自の表現を追究し、さらに深化させていったブラックが晩年に重視した考え方は、「メタモルフォーシス(変容)」でした。
本展の出品作品は、フランスのサン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック-メタモルフォーシス美術館所蔵品で、ブラックが晩年に取り組んだ「メタモルフォーシス」のうち、彼がデザインを手がけた工芸品を中心にご紹介します。デサイン画をはじめ、陶磁器やジュエリー、彫刻、ステンドグラス、タピスリーなど、約90点におよぶ作品を展観します。晩年期のブラックによる造形への探究から創出された、独創的できらびやかな工芸の世界をぜひご覧ください。