生野祥雲斎は、竹工芸の分野で初めて人間国宝に認定された、日本を代表する工芸家です。その祥雲斎の作品がかつて東京の丸の内ホテルの一角を飾っていました。これらの作品は、丸の内ホテルの新館の新設工事にあたり、そのトータルデザインを担当したアメリカ人デザイナー、パトリシア・ケラーがレストランを竹で演出することを決め、その制作を当時工芸家として最も充実期にあった祥雲斎に依頼したものでした。祥雲斎の斬新な作品は、1964(昭和39)年、東京オリンピックに沸く、日本の玄関口に建つ老舗ホテルのレストランを飾りました。
今回の展示では、これらの作品をレストラン「バンブーグリル」の写真資料などとともに紹介します。