現代の陶芸において、無釉・施釉、陶器・磁器の区分なく、自らの表現素材として土を選択した「土と生きる」作家たちの作品をご紹介します。
出品作家は、岡山県出身の作家や岡山県下の研修施設・大学・大学院に在籍し、勉学・研究に励んでいたことがあり、現在も精力的に活動を続ける9名です。
また共通して、素材に土を選択した必然性を有し、土の特質である可塑性に挑み、陶の可能性を追求しています。造形技法ひとつをとってみても多様で、陶芸のトラディショナルな技法である手捻り、轆轤作りの他、糸・和紙・布、クラフト素材である陶紙の利用や乾燥の後、集積した泥漿を構築した焼締めなど、9人9様です。
鑑賞者個人や世代間における美意識の差異、陶芸に対する観念の隔たりはあるでしょうが、出品作家の土との対向性や内面から湧き上がる表現の意図に心を委ねることで、陶芸の面白さ、美しさを考える機会となり、土と生きるすべての作家に想いを馳せていただければ幸いです。
本展では、出品作家9名の作品約50点を作陶道具などと共に展示します。
出品作家(50音順・敬称略)
天羽 羽衣 (あもう うい)
阿波 夏紀 (あわ なつき)
市川 透 (いちかわ とおる)
江口 葉菜子 (えぐち はなこ)
加藤 直樹 (かとう なおき)
金重 潤平 (かねしげ じゅんぺい)
小出 尚永 (こいで なおえ)
小橋 順明 (こばし まさあき)
三浦 義広 (みうら よしひろ)