わたしたちの暮らす現代の日本社会は、かつてアメリカの社会学者リースマンが警鐘したように「孤独な群衆」であろう。就業時間から解き放たれるスマートフォンの小さな画面に向かい、誰でもない誰かとインターネット上で会話を交わす。
その中で目にする誰かの日常や非日常を羨む思いがやがて嫉妬へと瞬く間に様相を変え牙をむく。
ともすれば誰でもがこのような匿名社会の被害者にも加害者にもなりうる日常において、我々はどのように生きていくことが望ましいのか。写真と絵の二人のアーティストにより、現代社会における身近な問題に一石を投じたい。