マックス・エルンスト(1891-1976)はシュルレアリズムの代表的な画家です。ドイツのケルン近郊の町に生まれ、第一次大戦後にはダダの運動を起こし、その後、パリに出てシュルレアリストの友人らと交流し、運動の中心人物となりました。
彼は無関係なイメージを寄せ集めて、不可思議で幻覚的なイメージを作り出すコラージュや、ものの表面に紙をあて鉛筆でこするフロッタージュの手法をよく用い、制作しました。
《博物誌》は1926年に出版された34点の版画集です。木の葉や木片、石などの表面をこすりだしてできたイメージが、動物や昆虫、植物などのかたちに見えてくるから不思議です。