ラファエル・ローゼンダールは、インターネット空間を発想と表現の場とする、時代の最前線を走るアーティストの一人です。カラフルで、美しく、楽しく、時に思索的てもある110*のプログラム映像を掲載した彼のウェブサイトは、年間5000万のアクセス数を誇ります。世界中を網羅するインターネットの中、彼の作品は私たちがアクセスしたい時にいつでもそこにあります。本展のタイトル「ジェネロシティ(寛容さ)」は、そのように誰にでも惜しみなく提供されているローゼンダールの芸術の本質を表しています。ローゼンダールは、そのインターネットから出発した作品を、タペストリーやレンチキュラーといった平面作品のシリーズや、影を楽しむように作られた半立体作品、そして空間展示にも発展させてきました。さらに興味深いのは、英語俳句という言葉の芸術にも取り組んでいることです。ローゼンダールが試みているのは、いろいろな時と場所で、そしてさまざまな形で、彼のアイデアが姿を現す芸術のありようなのです。
このたび、十和田市現代美術館ではローゼンダールの世界観を、展覧会という形でお届けします。このようにローゼンダールが美術館で個展をするのは世界でも初めてのことです。大規模な映像インスタレーション、タペストリー作品、英語俳句、インタラクティブ映像の展示で構成し、ローゼンダールの芸術の豊かな広がりを表現します。
*2017年11月現在