元興寺極楽堂と禅室の屋根には千四百年の風雪に耐えて今なお現役で建物を守り続けている飛鳥時代の瓦があります。土を練って焼き上げるだけで、千年も屋根の葺材として使うことができるのです。一体誰がどのようにして作り上げたのでしょうか。本展ではそうした長寿命の古代瓦にスポットをあて、瓦のつくり方、葺き方について、建築という切り口から瓦を読み解いていきます。瓦の歴史をはじめ、原料となる土、製作道具、葺く工程や葺き方の模型などを映像とともに解説します。また普段屋根の上にあってなかなかみることのない迫力ある鴟尾(しび)、造形豊かな鬼瓦や軒瓦も目の高さでご覧いただけます。瓦に込められた職人の技と心をぜひ会場にてご覧ください。