“to the mountains”
ひとは、この言葉に、どれだけの情熱を傾けてきたのでしょうか。
富士山が世界文化遺産に登録され、8月11日が「山の日」として国民の祝日になるなど、近年、山や登山への関心が広まっています。山は、古代から人々の暮らしと深くかかわってきました。山は、ある時は人々に恵みを授け、またある時は信仰の対象として、人々の精神を支えてきました。『日本百名山』の著者である深田久弥は「山のような人間にならねばならぬ、山のような文章が書けるようにならねばならぬ」と語りました。彼の独創的な自然観察眼と、信念により生み出された山の文学は、今なお人々を魅了してやみません。本展では、深田をはじめ、時代を超えて同じ<山>というフィールドで繰り広げられてきた多様な〈知〉と〈表現〉に迫ります。
この夏、世田谷文学館は「山を発見するミュージアム」になります。「自分にとっての山とは」「自然とは何か」を見つけていただければ幸いです。