刀装具(とうそうぐ)とは、刀剣外装(拵・こしらえ)の金具です。江戸時代以降に装飾
性が増し、金属とは思えないほどきらびやかで細密な作品が作られました。光村利藻(みつむらとしも・号、龍獅堂(りゅうしどう)1877-1955)はそんな刀装具を中心に一大コレクションを築き、名著『鏨廼花(たがねのはな)』を刊行した明治時代の実業家です。一方で断絶の危機にあった装剣金工の技術継承にも心を配りました。単に作品の美を称えるだけではない光村の幅広い活動により、刀装具への理解は深められ、作り手も護られました。本展覧会では、現在根津美術館が所蔵する約1200点もの光村コレクションの刀装具を中心に、光村が魅せられた掌上の金属美を刀剣や絵画資料も交え、約130件の作品でご紹介いたします。