画家斎藤清はわずか4歳で故郷会津を離れなければなりませんでした。幼い頃の故郷の思い出は、母の温もりと雪の白さだけだったと語っています。大人になり、いつしか絵を描くことを生業とするようになった斎藤は、再び会津の冬に出会います。雪の簡明な造形に心奪われ、その白さに故郷の遠い記憶が呼び起こされたのでした。以後、故郷に想いを馳せるようになります。そして80歳にして会津での定住を決意しました。それは長年待ちわびた帰郷でありました。
今展では「斎藤清 会津慕情」と題し、ふるさと会津を主題とした作品を中心に展示紹介いたします。斎藤清が板に教えられ、木目に従い、そして委ね描いた作品をご覧ください。