銅版画を軸にブック・デザインやエッセイ、立体、パブリック・アートなど多彩な活動を繰り広げる版画家、山本容子の全容を紹介します。山本容子は京都市立芸術大学在学中より個展を開催し、版画家として精力的に活動する中で、『TUGUMI』や『世界の文学』をはじめ多数の書籍の装丁や挿画を手がけ、広く知られるようになります。最近ではモザイク壁画やチャペル、池澤夏樹「静かな大地」(朝日新聞朝刊2001年6月12日~2002年8月31日連載)の挿絵等を手がけ、活躍の幅をさらに広げています。直観と即興に基づく軽妙洒脱でユーモアに溢れる表現は人々を魅了してやみません。本展では、銅版画やドローイング、オブジェ、本の挿画、和紙の茶室「浮庵」、和紙車「Lantern Car螢」など約400点の作品により、初期から現在までの活動を辿ります。
ところで山本容子の出生地はさいたま市(旧浦和市)で、いわば里帰りの展覧会とも言えるでしょう。「美術遊園地」というタイトル通り、多様な作品が一堂に介し、楽しくにぎやかに並びます。お友達やご家族で、山本容子の世界をお楽しみください。