MOA美術館は、創立者・岡田茂吉が戦後の混乱期、美術品の散逸を憂いて蒐集したコレクションの公開を目的に、昭和57年、熱海市に開館しました。その収蔵品は、日本や中国を中心とする絵画、仏教美術、陶磁器、書跡など、国宝や重要文化財を有するいずれ劣らぬ名品です。
本展覧会はMOA美術館のコレクションを二部構成でご覧頂きます。第一部は、人間国宝の作品を含む現代工芸の逸品をご紹介します。岡田茂吉は美術品の蒐集だけでなく、未来の日本美術の発展にも大きな期待を寄せていました。この度、金工、陶芸、染織、漆芸、人形作品を展示し、現代に続く伝統の技と美をご覧頂きます。第二部では、「黄金の茶室」(復元)と豊臣秀吉や千利休ゆかりの書画、茶道具を展示します。秀吉の命によりつくられた黄金の茶室は、その名のとおり室内から茶道具に至るまで金が用いられ、秀吉はここで正親町天皇に茶を献じたといわれています。
絢爛豪華な「黄金の茶室」(復元)と桃山・江戸の茶の湯に関わる美術品、そして現代に受け継がる日本美術の粋をお楽しみください。