21世紀の今日、医療分野でも有用性を発揮する3Dプリンターの出現が社会の注目を集めています。
同時に3Dプリンターというネーミングは、複製芸術を連想させるだけでなく、芸術における自律的価値への疑問を投げかけています。すなわち芸術における有用性の有無という古典的問いの再考をも促しています。
本展は写真、版画はもとより印刷物、絵画、ドローイング、彫刻など約150点における転写や複製技術、機械化、情報化などと手仕事とを対比させながら、この今日的問題からアンチ・エスタブリッシュメント時代の美術作品のもつ批評可能性を考察するものです。