1982年、東京に生まれた加茂昂は埼玉を拠点にしながらも、時には地方のレジデンスプログラムに参加し、作家としての経験を積んできました。作品として独立した、いくつもの絵画をひとつの空間に配置し、インスタレーションとして成立させる加茂ならではの手法は、歴史的に問われた絵画という媒体の限界に新たな答えを見出そうとしているのかもしれません。近年は土地と人の関係に関心を寄せ、社会の多様な事象を人々の肖像として昇華させることを試みています。今年の8月からは、「アーティスト ・イン・レジデンスつなぎ2017」の招聘作家として約4か月間津奈木町で暮らし、様々な光景と出会う中で制作に臨みました。この滞在制作の成果を披露する本展では26点の新作を展示します。