タイトル等
版画の景色 現代版画センターの軌跡
会場
埼玉県立近代美術館
会期
2018-01-16~2018-03-25
前期1月16日|火|―2月18日|日|、後期2月20日|火|―3月25日|日|
休催日
月曜日[2月12日は開館]
開催時間
10:00~17:30
展示室の入場は17:00まで
観覧料
一般1000円 (800円)/大高生800円 (640円)
・( ) 内は20名以上の団体料金。
・中学生以下と障害者手帳をご提示の方 (付き添い1名を含む) は無料です。
・併せてMOMASコレクション(1階展示室)もご覧いただけます。
・「東京・ミュージアムぐるっとパス2017」でご観覧いただけます(MOMASコレクションにはご入場いただけません)。1階の総合受付でご提示ください。
主催者
埼玉県立近代美術館
協賛・協力等
|協力|JR東日本大宮支社、FM NACK5
概要
版画の景色/形式
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目に映る「風景」が、網膜に映る「色彩」と化している。その色彩は形象をともなうが、移りゆく時の中では、すべてがうつろい、流れてゆく。その流れに抗い、目に見える世界を記憶にとどめようとするとき、「風景」と「色彩」が「圧縮」され、「景色」が生まれる。世界から放たれる光線が、網膜に「版」を描き出す。その「版」が脳内に「転写」され、「景色」が出現する。
「プレス(加圧)」によって成立する「版画」を、「景色」として眺めてみる。「紙とインク」から放たれる光線が、網膜に「版」を描き出す。その「版」が脳内に「転写」され、「版画の景色」が出現する。「版画の景色」を眺めるうちに、「版画の形式」へと向かう知覚と意識が研ぎ澄まされる。「紙にインクがのっている」、それだけで圧倒的な充足感がもたらされる。「明瞭な形態と明快な色彩」は、形式に由来する即物的な魅力を湛えている。「形態に抗う色彩としてのグラデーション」は、形式からの逸脱を予感させる魔力を秘めている。
―――
現代版画センターは、一九七四年に設立された。その一〇年に及ぶ活動の「軌跡」を辿ると、三つの軸が浮かび上がる。ひとつ目は、当事者が語るとおり、「メーカー」、すなわち、版画を制作する版元としての活動である。約八〇作家七〇〇点以上のエディションが制作されている。画家、版画家にとどまらず、彫刻家、工芸家、映像作家、建築家まで、様々なジャンルの作り手が関わっている。ふたつ目は、「オーガナイザー」すなわち、オークション、展覧会、シンポジウム、上映会など様々な出来事を組織する活動である。東京のみならず、地方の拠点をベースに、様々なプログラムが次々と開催された。会員組織の運営も重要である。三つ目は、「パブリッシャー」、すなわち刊行物を編集・発行する活動である。名称や判型を変えながら一〇五号まで刊行された同センターのニュースを繙くと、濃密な言説空間が出現する。さらに、関係作家の作品集やカタログも多数刊行されている。
この三つの軸は、相乗効果をあげるように、連動する出来事として遂行されている。本展では、この三つの軸を手掛かりに、現代版画センターを、「時代の熱気を帯びた多面的な運動体」ととらえてみたい。そして、その運動体が帯びていた「熱気」を体感できる展示空間の出現と、その運動体が時代に残した「爪痕」としての作品、出来事、出版物を俯瞰的にとらえうる印刷物(カタログ)の出版を目指している。それによって、その運動体が一〇年にわたって活動を継続出来たという事実が、ひとつの「奇跡」のように感じられるだろう。
しかし、「奇跡」は長くは続かない。一九八五年二月、株式会社現代版画センターは、「倒産」する。社会的に見れば、ひとつの「事件」であり、その意味は重い。法的な事後処理が完了してもなお、倫理的な咎や情緒的な蟠りが燻り続けることは避けられない。いま、現代版画センターの展覧会を企てるには、この多面的な運動体を、俯瞰的にとらえる視座が必要である。そのためには、その活動の功績を検証すると同時に、その活動に対して懐疑的な、批判的な、否定的な見解を持つ人々の言葉にも耳を傾けなければならない。
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現代版画センターの軌跡/奇跡
イベント情報
◎トークイベント「ウォーホルの版画ができるまで―現代版画センターの軌跡」
3月18日[日]14:30-16:30[開場は30分前]|埼玉県立近代美術館講堂[2階]|定員:100名[当日先着順]|料金:無料
|第一部|西岡文彦[伝統版画家 多摩美術大学教授]|聞き手―梅津元[当館学芸員]
|第二部|石田了一[刷師 石田了―工房主宰]|聞き手―西岡文彦
およそ80人の作り手と協力して700点を超えるエディション作品を次々と世に送り出し、同時代の美術の一角を牽引した現代版画センター。その活動において欠かすことができない存在が、版画の「刷師」です。このイベントでは、ウォーホルをはじめ、多数の作家との共同作業を担った刷師を招き、現代版画センターのオリジナル・エディションについて語っていただきます(第二部)。また、第一部では、エディション作品の提案やオークションの開催など、時代に先駆ける活動を展開した同センターの活動を振り返ります。

◎担当学芸員によるギャラリートーク
1月27日[土]、3月10日[土]
各日とも15:00から30分程度
2階展示室
企画展観覧料が必要です。

◎スライド・トーク
ご希望のグループにスライドを使って本展覧会の見どころをご案内します(予約制)。お問い合わせ・ご予約は教育・広報担当(電話048-824-0110)まで。

◎MOMASコレクション[1階展示室]
|第4期|1月6日[土]-4月15日[日]
「セレクション:ルノワールとかピカソとか」
「とう・かたる―人と美術の出会いの中で」
「小特集:小村雪岱」
展示替え情報
会期中に一部展示替えがあります。
会場住所
〒330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
交通案内
■ JRをご利用の場合
JR京浜東北線 北浦和駅西口より 徒歩3分 (北浦和公園内)
JR東京駅、新宿駅から北浦和駅まで、それぞれ約35分

■ バスをご利用の場合
国際興業バス、西武バスとも 北浦和駅西口前下車 徒歩3分
ホームページ
https://pref.spec.ed.jp/momas/
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
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