「素晴らしき乳白色」の壁画がフランスから。
フランスに渡り、「乳白色の下地」と呼ばれる独自の画面によって、時代の寵児となったレオナール・フジタ(藤田嗣治、1886~1968年)ほど、ヨーロッパで成功をおさめた日本人画家はいないでしょう。本展は、フジタの生誕130年を記念するもので、全国の4会場を巡回します。フジタの画業の中心である人物を描いた作品約90点を、描かれたモデルに関連する資料約150点を交えて紹介し、画家のモデルに注ぐまなざしや制作の過程、さらにフジタの人間性までもが浮かび上がることを期するものです。
また、フランスのエソンヌ県の特別協力によって出品される4点の壁画は、1点が縦横3メートルの大画面であり、フジタがモデル研究の集大成として挑んだ最初の群像大作表現です。こうした作品とともに、今回公開される写真や書簡などの貴重な資料は、ますます注目されるフジタの研究に新たな手がかりをもたらすものとなるでしょう。