「絵の前に立った瞬間、全身に鳥肌が立つほどの感動を覚えた。」日本画に魅かれ、生涯をかけて蒐集(しゅうしゅう)を続けた故水野正幸氏(ホクト株式会社の創立者)の言葉です。平成14年、長野市に念願の「水野美術館」が誕生しました。展示室には、横山大観を中心とした日本美術院草創期の作家たちや、長野県出身の菱田春草を中心に、明治、大正、昭和の三代にわたって活躍した画家たちの意欲作、名作が並びます。また、上村松園らの美人画、杉山寧や加山又造ら現代作家の作品も加わり、現在では約500点に及ぶコレクションとなっています。
本展では、その中から選んだ23作家48点の珠玉作を紹介します。西洋絵画に負けじと暗中模索した画家たち。そして華ひらいた新しい「日本画」。現代へと引き継がれる美の系譜をご覧ください。