群馬県内では、今、それぞれの地域に根ざした継続的な美術活動を目指す動きが多く見られます。こうした状況は今になって突然発生したわけではなく、背景には美術を取り巻く社会環境の変化や、過去の様々な活動の積み重ねがあります。
この展覧会は、現在の群馬における現代美術の状況を検証しようとするものです。そのためにまず1980年代までさかのぼり、資料によって過去から現在へとつながる現代美術の水脈をたどることを試みます。そしてまさに今、県内で活発な活動を展開している現代美術作家15人をとりあげ、平面、立体、インスタレーション、パフォーマンスなど多彩な表現を紹介します。
これらの作家たちが群馬という日本の一地方に拠点を構える理由は様々ですが、それぞれの制作活動を通して、地方における現代美術の可能性、あるいは地域社会と現代美術との関わり方を考えてみたいと思います。