熱によって柔らかく溶けたガラスを平らな板状に成形することで板ガラスは作られます。視線を遮らない透明性と平滑な面を持つ板ガラスは、例えば自動車用窓ガラスや建築資材として使用され、私たちの生活に欠かすことができない製品の一つとなっています。
板ガラスは、透明で無機質な素材ではありますが、見る角度を変えたり、光を受けたりすることで様々な表現を見せます。作家たちは、視点を動かすことでみえてくる色の深みや、反射によって鏡のように見る者の姿を映し出す、といった多様な変化を見せる板ガラスを、自身が持つイメージを具現する素材としてとらえ、重ね合わせる、削る、磨く、曲げるといった技法を施しながら、独自の造形表現を生み出しています。
本展では、板ガラスを用いて創作活動を行う現代作家5名(アビルショウゴ、家住利男、生田丹代子、小島有香子、所志帆)の作品を展示し、板ガラスによる表現の広がりと造形の魅力をご紹介します。