フランス・印象派の研究から日本文化の源流を探る試みを経て、日本美術の意匠の美にたどり着いた平松画伯は、近年琳派(りんぱ)の芸術に傾倒しています。
琳派は桃山時代の俵屋宗達(たわらやそうたつ)から始まり、尾形光琳(おがたこうりん)、酒井抱一(さかいほういつ)などが、従来の師弟制度によらず私淑により継承した独特の流派です。やまと絵の様式を基調に日本人の自然観や美意識を斬新な装飾技法で表現しているのが特徴です。
画伯は琳派の作風に、以前から魅かれていたといいますが、その技法やモチーフを作品に取り入れることで、より華やかでデザイン性豊かな作品が生まれました。
このたび、平松礼二館の開館10周年を機に寄贈された作品をはじめ、装飾性の高い華麗な作品を展示し、現代の琳派の旗手としての魅力を探る展覧会を開催します。