絵本文化の発展とともに-時代が生んだ画家
1918年に生まれたいわさきちひろは、大正デモクラシーの気運の高まりのなかで文化的に恵まれた幼少期を過ごしますが、その青春時代はずっと戦争のなかにありました。ちひろの画家としての歩みは、戦後の日本の復興と経済成長とともに、児童出版が盛んになり、絵本文化が大きく花開いていく時代とも重なります。
本展では、戦前の油彩画から最後に完成させた絵本『戦火のな かの子どもたち』までを一堂に展示するとともに、貴重な資料や写真などもあわせて紹介します。波乱に富んだ55年の生涯を生き、子どものしあわせと平和を願い、画家として絵本の可能性を追求し続けたちひろの人生と画業の全貌をご覧ください。